わきがは、正式には「腋臭症」といいます。わきがは、わきの下から出る臭いが周囲に伝わり不快感を与えてしまう状態のことです。この原因は主としてわきの下にあるアポクリン汗腺から分泌された汗の成分が、皮膚の表面の細菌によって分解されたときに、独特の臭いを発するものです。でもこれは病気ではありません。

体臭を強くする食べ物には、肉などに多く含まれている不飽和脂肪酸があります。その影響もあってか、欧米では多くの人がわきが体質といわれています。でも欧米では、わきがを単に生理的な現象としてあまり問題にしていないようです。ただ、日本ではわきがの人が少数派のために、かえって悩んでいる方が多くいるようです。

本来わきがの原因であるアポクリン腺からのにおいは、大古の人類にとっては性的にたいへん刺激的であり、子孫を残し、未来に渡って生存を続けるうえで重要な意味をもっていました。しかし今日では、飢えをしのぎ、また子孫を繁栄していくうえでの嗅覚の役割があまり必要なくなったという、社会的・文化的背景もあり、そのにおいそのものが悪臭として悪物扱いされてしまっているわけです。

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2006年5月28日20時37分
時点のものです。

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